いびきってなに?
いびきは、狭くなった気道(空気の通り道)を空気が通る際、のどの粘膜や組織が振動することで発生します。
では、なぜ気道が狭くなるのでしょうか。それは、睡眠中に体がリラックスすることで、のどの筋肉まで弛緩(緊張が緩むこと)し、重力で落ち込んでしまうからです。
成人の25%~50%は日常的にいびきをかいていると言われます。※1
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/fullarticle/2800635
いびきは問題ですか?
いびきは、本人と周囲のパートナー双方の健康や生活の質を損なうリスクをはらんでいます。
特に注意が必要なのは、睡眠時無呼吸症候群です。これは睡眠中にのどの組織が閉塞し、呼吸が一時的に止まってしまう状態を指します。たとえ完全に呼吸が止まらなくても、気道が狭くなれば酸素供給が不足し、体に大きな負担をかける恐れがあります。いびきは、気道が狭くなっているサインであるため、「頻繁に大きないびきをかく」、「無呼吸を指摘されたことがある」という方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと言えます。
また、寝室を共にしているベッドパートナーにとっても、いびきは深刻な問題です。
いびきの騒音により「眠れない」「夜間に目が覚める」といった状態が続くと、慢性的な睡眠不足に陥りかねません。睡眠の質の低下は、日中の眠気や倦怠感を引き起こし、仕事の生産性の低下や重大な運転事故につながるリスクもあります。
パートナーのいびきについて話し合う際は、相手への配慮も重要です。
お互いが落ち着いている時間を選びましょう。リラックスしている穏やかな夜に、自然な流れで話し合いをするのが理想的です。話し合う際は、ご自身の悩みを話し、相手の反応を伺ってみましょう。いびきの様子をスマートフォンなどで事前に撮影しておくと、本人が自分の状態を理解しやすくなるかもしれません。
どの診療科を受診すればいいですか?
ご自身、あるいはパートナーのいびきが気になる場合は、まずは医療機関を受診し、医師へ相談することをおすすめします。いびきの相談は、一般内科、耳鼻咽喉科、循環器内科、精神科・心療内科などで受け付けている場合があります。
また、より詳しく調べたい場合には「睡眠外来」など、睡眠を専門に扱う医療機関を受診するのも一つの方法です。ただし、すべての医療機関でいびきや無呼吸の専門的な検査・治療を行っているわけではありません。
受診の前には、必ず各医療機関の公式ホームページ等で、いびきの診療に対応しているかをご確認ください。
いびきの治療法について
睡眠時無呼吸症候群のような「呼吸の停止」、「体内の酸素濃度の低下」、「微少覚醒(無呼吸による一瞬の目覚め)」などを伴わないようないびきの場合は、原則として治療は必要ありません。
いびきの原因が肥満にある場合は、減量によって気道周りの脂肪が減り、症状が改善する可能性があります。また、仰向けでいびきがひどくなる場合は、横向き寝をサポートする抱き枕などの活用が有効です。そのほか、アルコールの摂取や睡眠薬の服用がいびきを悪化させているケースでは、生活習慣を見直すことでいびきの軽減が期待できます。
一方で重度のいびきや無呼吸が確認される場合は、検査結果に基づき、医師から適切な治療が提案されます。代表的なものに、CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)療法と呼ばれる治療があります。CPAP療法は、専用のマスクを介し、装置から一定の圧力をかけた空気を送り込むことで、眠っている間の気道の狭窄(空気の道が狭まること)や閉塞を防ぐ治療法です。
どのような対策をとるにせよ、まずは医療機関を受診し、ご自身の状態を正しく把握することから始めましょう。