FEATURE 1

慢性呼吸不全

慢性呼吸不全とは?

私たちは普段、無意識に空気を吸って酸素を取り込み、体の中で不要になった二酸化炭素を吐き出しています。
これを「ガス交換」と呼びます。

呼吸不全とは、肺の疾患などが原因でガス交換が正常に行われなくなり、血液中の酸素(O2)が不足したり、二酸化炭素(CO2)が過剰に蓄積してしまう状態を指します。呼吸不全は、単なる息苦しさの症状を指すのではなく、「血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れ、体に必要なガス交換がうまくいかなっている状態」のことをいいます。

呼吸不全の状態が1ヵ月以上持続することを、「慢性呼吸不全」と言います。

急性呼吸不全数時間から1ヵ月未満の比較的短い期間で呼吸不全が発症・変化する状態。
慢性呼吸不全呼吸不全が1ヵ月以上持続している状態。

慢性呼吸不全の原因

慢性呼吸不全の主な原因には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎といった病気が挙げられます。
その他にも、肺結核の後遺症や肺癌などによって慢性呼吸不全が引き起こされる場合もあります。

慢性呼吸不全の症状

慢性呼吸不全の主な症状は、息切れや息苦しさを感じる「呼吸困難」です。

呼吸困難の程度は重症度によって異なり、比較的軽症の段階では、階段の上り下りや重い荷物を持つときなど、体を動かす時にのみ息切れが起こります。しかし、症状が進むにつれて、着替えや入浴といった日常的な動作においても息切れが生じるようになります。

また、呼吸不全の症状は「酸素を十分に取り込めない状態」だけでなく、「二酸化炭素を正常に排出できず、体内に溜まってしまう状態」も含まれます。

慢性呼吸不全の主な疾患

COPD(chronic obstructive pulmonary disease:慢性閉塞性肺疾患)は、長年にわたってタバコなどの有害物質を吸い込み続けたことで、肺にダメージが蓄積して起こる病気です。2021年のWHO(世界保健機関)による発表では、COPDは世界の死因の第4位となっています。

 

COPDは、有害物質を吸い込むことで気道に炎症や閉塞が起こり、空気のながれが制限される「閉塞性換気障害」が生じている状態を言います。息を吐く際に、炎症が起きている気道が押しつぶされて閉塞しやすくなるため、息の吐きづらさを感じやすくなります。
また、肺胞の炎症によって、肺胞が縮もうとする力が低下します。これにより、息を吐く際に空気を十分に押し出すことができず、息苦しさが強まる原因となります。

COPDの症状

COPDの症状は重症度の程度によって異なります。

比較的軽度から中等症の段階の主な症状は、咳、痰、労作時(階段の上り下りなどの動作時)に感じる息切れです。
症状が進行すると、息苦しさが強まったり、体重が減少したりします。
症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、医師へ相談しましょう。

当てはまるものはありますか?

  • 喫煙歴有り(40歳以上)
  • 労作時(体を動かした時)の呼吸困難感
  • 慢性的な咳
  • 慢性的な痰